星新一「盗賊会社」

盗賊会社 (新潮文庫)

盗賊会社 (新潮文庫)

今日読み終わった本。ユーモアと風刺に富んだ36篇のSFショートショートが収録されている。成功をおさめていくかに見えた主人公が、実はだまされていたり、逆に主人公が被害にあっているかのようにストーリーが進んでいき、ラストで立場が逆転する物語が多い。
特に印象に残ったショートショートは「善意の集積」
主人公は生まれたときから目の見えない少女。彼女の素直な性格に惹かれ、周囲の人々は彼女に親切に接していた。そんなある日、異星人が地球に現れる。誰もがその異星人の奇怪な姿かたちを恐れて逃げ出したが、目の見えない少女には関係のない話。少女は異星人と交流を深めていくが、その異星人からの善意が、彼女の人生を変えてしまうことになる。ラストが切ない。