森達也「職業欄はエスバー」

職業欄はエスパー (角川文庫)

職業欄はエスパー (角川文庫)

今日読み終わった本。
著者は、3人の職業として超能力者であることを選んだ人物の、ドキュメンタリー番組を制作したことがある。その製作過程や放送後のエピソードを書いたノンフィクション。著者自身、超能力を信じているのかいないのか、煩悶しながらの取材の様子が記録されている。

いまいちどんどんと読み進められなかったのは、その著者の迷いに引きずられて楽しく読めないことと、今、私自身が超能力というものに、さほど興味を持っていないからだろう。じゃあなぜ読んだかといえば、同著者のオウムのドキュメンタリーが良かったからで。超能力に対しては、別に信じてるとか信じてないとか、考える以前の問題。肯定も否定も自分の中になかった。改めて考えてみると、すべて否定する気はないな、と思う。
この本に登場する主な能力は、スプーン曲げなどの念力、振り子でものを探し当てたりするダウジング、UFOを呼んだり幽霊を見たりする能力。
実は私は子供の頃、ダウジング地震を予知したことがある(!)
祖父母の家を解体するときに、取り外したシャンデリアのガラスが綺麗で、イトコ同士で分け合って、振り子のおもりの部分にした。そして、「あしたは地震があるか?あるなら揺れろ!」と念じたら揺れたので、イトコ達と、これは大変だと冗談で騒いでいたら、翌日、小さいながら地震があって、興奮した。
だから、ダウジングは信じる。うん。
この本に登場するように、目の前でスプーンを飴細工のようにねじられたら信じるだろけれど、宇宙人に会ったことがある、という話を聞いても、私自身が会わないと信じられない。
UFOや幽霊を良く見る、という知人がいる。幽霊の話は、私も良く知っている身近な場所が舞台なので、聞くとぞっとするけれど、UFO目撃談は、失礼ながら聞いている最中に笑ってしまった。
でもそれは「そんな作り話して」という笑いではない。現実味がなくて、思わず笑ってしまった。
その人によると、自分が見たときに一緒にいる人も見られることが多いという。
いつか目撃したら、そのときは私も信じるのだろうか。