東京バレエ団「ザ・カブキ」

会 場:東京文化会館
演出・振付:モーリス・ベジャール
音 楽:黛 敏郎
美 術:ヌーノ・コルテ=レアル
主な出演者:
<由良之助>後藤晴雄
<直 義> 横内国弘
<塩冶判官>平野玲
<顔世御前>吉岡美佳
<力 弥> 鈴木淳
高師直> 木村和夫
<伴 内> 中島 周
<勘 平> 古川和則
<おかる> 小出領子
<現代の勘平>長瀬直義
<現代のおかる>高村順子
<石 堂> 宮本祐宜
薬師寺> 野辺誠治
<定九郎> 松下裕次
<遊 女> 井脇幸江
<与市兵衛>山口優
<おかや> 坂井直子
<お 才> 西村真由美
<ヴァリエーション1>0小笠原亮
<ヴァリエーション2>長瀬直義

モーリス・ベジャール振付、東京バレエ団の「ザ・カブキ」を観に行ってきました。
とっても良かった!
始まってすぐ、舞台中央にすっ、と登場した黒子が綺麗で、そこからもうこの舞台の世界に入り込んでしまいました。黒子に心を奪われるのは筋違いですが(笑)
ストーリーは、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」がベースで、浄瑠璃や三味線などの音楽で踊るという、めずらしいバレエ。「仮名手本忠臣蔵」は中学生のころだったか、学校の芸術鑑賞会で歌舞伎座に観に行ったことがあります。
四十七士が全員舞台に揃い踊るところなど、女性がメインのものが多いクラシックものでは見られない迫力がありました。
おかるの小出さん、綺麗でした。あまり表情を変えないで踊るのが、また美しいのです。
主役である後藤さんも、柔らかな踊りが現代の若者という感じで良かったです。(現代の若者がタイムスリップして、四十七士のリーダーになる)
松下裕次さんの定九郎も、存在感がありました。
パンフレットは買おうかどうしようか悩んだのですが、あんまり良かったので幕間の休憩時間に買いました。
ベジャールって、様式美である古典バレエとは違った振付をする人ですが、歌舞伎は日本の古典的な様式美の世界。あえてまた古典様式美を織り込んでくるところが、不思議な感じです。
そして、日本の美って、素晴らしいな、と感じました。
最後、映し出された日の丸を背に、四十七士が切腹をする場面、雪でも降らせたら、より日本的な情感があっていいんじゃないかなー、と思ってしまいました。素人の感想ですが。それともあれは日の丸でなく夕陽?だったら雪は降らないけれど・・・。
ひとつわからなかったのは、「現代の勘平」と「現代のおかる」の意義。必要なのでしょうか?だったらせめて、ちゃんと「現代の」若者の格好をさせて欲しい。80年代バリバリで違和感ありすぎでした。髪型にしても、ポニーテールって。初演当時のままなのでしょうけれど、役に意味を持たせたいのなら、もう少し考えて欲しいです。
最後、ただひとつといっていいほどの悪い点を挙げて終わってしまうのが嫌なので、しつこくもう一度書きます。
美しくて力強くて、本当に良かった。次回の公演も絶対行きたい!

↓ストーリーがわかります。舞台写真も。NBS日本舞台振興会のサイト内の特集です。
http://www.nbs.or.jp/stages/0701_kabuki/story.html