「ベジャール・ガラ」

会場:ゆうぽうとホール S席 1階6列 上手寄り
振付:モーリス・ベジャール
振付指導:ジル・ロマン、小林十市

演目&キャスト:

ペトルーシュカ
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
<青 年>  後藤晴雄
<若い娘> 井脇幸江
<友 人> 木村和夫
<魔術師> 野辺誠治
<三つの影> 高橋竜太、氷室友、小笠原亮
<四人の男> 松下裕次、宮本祐宜、横内国弘、梅澤紘貴
<四人の若い娘> 森志織、福田ゆかり、村上美香、吉川留衣

ドン・ジョヴァンニ
音楽:フレデリックショパン (モーツァルトの主題による)
<ヴァリエーション 1> 森志織、福田ゆかり、村上美香
<ヴァリエーション 2> 佐伯知香
<ヴァリエーション 3> 井脇幸江、岸本夏未
<ヴァリエーション 4> 西村真由美
<ヴァリエーション 5> 奈良春夏
<ヴァリエーション 6> 吉岡美佳
< シルフィード >  吉川留衣

ボレロ」 音楽:モーリス・ラヴェル
シルヴィ・ギエム
平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘

他、東京バレエ団
モーリス・ベジャール追悼公演Vであり、東京バレエ団創立45周年記念公演IIでもある、東京バレエ団の「ベジャール・ガラ」を見てきました。
会場で配られたキャスト表を見ると、昨日は「ペトルーシュカ」に首藤さんが出ていて、なんで今日のチケットを取ったのか謎。と、自分で考えてしまいましたが、NBSの先行予約の抽選で取ったので、きっと第1希望がはずれて第2希望になったのでしょう。全然確認していなかった。でも、結局、首藤さんは怪我で降板されたので昨日でも今日でも同じ後藤さん。
その「ペトルーシュカ」、ベジャール版がどんなか予習していなかったので、始まるまで内容が分かるか不安でしたが、何の問題もありませんでした。人形の世界の話ではなく、人間のお話なんですね。
不安に取り付かれていく後藤さん、はまっていました。急にその迷宮に入り込んでいしまう感覚、最近分かります。ただいまそこから復活中の私。
が、最初の無邪気な後藤さんは、幸せオーラを放っているように見えて、めらめらと嫉妬の目で見てしまいました(笑)いやいや、おめでたいことです。(私の好きなバレエダンサー小出領子さんが妊娠の為、私が観に行きたかった公演をすべて降板。後藤さんはその旦那様)
ドン・ジョバンニ」も、全く内容を知らないまま行きました。私は詳しくないですが、ベジャール作品で、こんなに女性だらけの作品ってめずらしいのではないでしょうか。踊りもわりとクラシック。
舞台には登場しないドン・ジョバンニに思いを寄せる女性たちの姿。華やかでした。
ちょっと悲しいのは、女性なのに胸よりあばらが出ているダンサーばかりということ。衣裳の問題なのかな?黒い衣裳の人にはそう思わなかったのに、ピンクの人はもう、あばらあばら。痛々しく見えてしまう。
それと、最後にハシゴを抱えたおじさんが登場して、女性たちががっくりうなだれてしまうのですが、あれは、うーん。ああいう終わりでベストなのでしょうか。
ラストはシルヴィ・ギエムボレロ
彼女はボレロを一度は封印したのですが、ベジャールの追悼の為にまた踊ってくれました。
NBS 日本舞台芸術振興会 東京バレエ団 <ベジャール・ガラ>:イントロダクションにのっていた、ギエムの言葉。

今、彼の作品を踊ることは、その権利を得たものたちの義務なのです。

ボレロ」が始まってすぐに、こんなにステージが近かったっけ?とドキドキしてきました。6列目なんだから、そりゃあ近いけれど、急にそう感じました。それだけの存在感。
力強く、乱れない踊り。男性かと思うような体つきも、乱れては戻る長い髪も、美しかった。
はっきりいって、私、そんなにギエムは贔屓して無いのですが、今日は本当に感動しました。
凄いものを見た。
自身の言葉通り、これで最後にせず、これからもベジャールの作品を踊り、伝え続けて欲しいです。
ベジャールを過去にしない為に。