橋田信介「戦場の黄色いタンポポ」

読み終わった人から譲り受けて、橋田信介著「戦場の黄色いタンポポ」を読みました。
著者は東南アジアを中心に、戦場を撮り続けたカメラマン。2004年5月、イラクで襲撃を受けて亡くなっています。
本書は、取材中にお世話になったアジアの人々の記録だとまえがきに書かれています。
ベトナム戦争は私にとっては歴史の中の出来事で、それが、橋田さんの目を通して生身の人間の生活として伝えられることで、戦争のむごさも人間のたくましさもあらためて感じることが出来ました。
今この瞬間も、この本に書かれているようなことが起きている国があって、それを私たちはテレビのニュースで流れる範囲のことしか知らない。イラクで橋田さんが感じた、アメリカが参戦した理由なんて、ニュース番組に出演していたジャーナリストがちらっと言ったような気もするけれど、そんな不確かな記憶しかない。
大国が介入してくるから、戦争が終わらなくなる。当事者にとっては、もっと簡単なことだったのに。
もっと自分から興味をもって知ろうとしないと駄目なんだな。
この本も自分で選んで買ったわけでなく、たまたまもらったから読んだわけですが、そうやって読む機会が巡って来て良かったです。

著者:橋田信介
出版社:新潮社
発行日:2004年11月1日 (1993年刊行の「走る馬から花を見る」を改題して文庫化)