第11回 世界バレエフェスティバル/Aプロ

会場:東京文化会館 S席 1階2列目 上手寄り
指揮:アレクサンドル・ソトニコフ
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団
演目&出演者:
【第1部】
「ラ・ファヴォリータ」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:ガエターノ・ドニゼッティ
ルシンダ・ダン、マシュー・ローレンス
「7月3日 新しい日、新しい人生」世界初演
振付:ジェレミー・ベランガール 音楽:エイフェックス・ツイン
ニコラ・ル・リッシュ
「白雪姫」
振付:リカルド・クエ 音楽:エミリオ・アラゴン
タマラ・ロホ、イナキ・ウルレザーガ
「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリックショパン
ジョエル・ブーローニュ、アレクサンドル・リアブコ
【第2部】
ロミオとジュリエット」より“バルコニーのパ・ド・ドゥ”
振付:ジョン・クランコ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル
エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
レティシアオリヴェイラ、ズデネク・コンヴァリーナ
「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:チャイコフスキー 編曲:シュトルツェ
アリーナ・コジョカル、フィリップ・バランキエヴィッチ
「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ、ジョゼ・マルティネス
白鳥の湖」より“黒鳥のパ・ド・ドゥ”
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
イリーナ・ドヴォロヴェンコ、ホセ・カレーニョ
【第3部】 「扉は必ず・・・」
振付:イリ・キリアン 音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランに基づく)
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ
「眠れる森の美女」
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マイヤ・マッカテリ、デヴィッド・マッカテリ
「コンティニュウム」
振付:クリストファー・ウィールドン 音楽:ジェルジ・リゲティ
ルシンダ・ダン、マシュー・ローレンス
「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ/ユーリー・グリゴローヴィチ 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ガリーナ・ステパネンコ、アンドレイ・メルクーリエフ
「春の声」
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:ヨハン・シュトラウス
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
【第4部】
カルメン
振付:ローラン・プティ、音楽:ジョルジュ・ビゼー
「TWO」
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム
ベジャールさんとの出会い」世界初演
振付:モーリス・ベジャール 音楽:グルック/ショパン/アルゼンチン・タンゴ/アンリ
ジル・ロマン、那須野圭右、長瀬直義
「マノン」より“沼地のパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
ディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジーミル・マラーホフ
ドン・キホーテ
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
ヴィエングセイ・ヴァルデス、ロメル・フロメタ

今回は世界バレエフェスティバル30周年記念公演だそうで。
まず、座席についてですが、NBSの先行予約による抽選で取った席なのですが、やはり2列目は前過ぎですね。座席に段差が無いので、斜め前の男性の頭が邪魔になって、ステージの一部分が見えなくて残念でした。
けれども、距離が近いので、今回のような有名人がぞろぞろ出てくる舞台では、ダンサーが近くで見れて嬉しいというミーハーな喜びはありました(笑)
あと、指揮者の方が、オーケストラだけでなくダンサーを見ながら指揮をしているところも間近で見られて良かったです。
最近、このダイアリーの過去記事を頑張ってまとめてアップしてきました。そして今日の公演で追いつきました。リアルで感想が書けるのはやはり嬉しいです。これからはちゃんと書いていこうと思います。
で、何がいいたいかというと、今日の公演にこのダイアリーを間に合わせるため、連日寝不足で更新してきたので、眠い中での観劇でしたよ、という…。
ですが、始まって三つ目の「白雪姫」で一気に目が覚めました。
タマラ・ロホのフェッテ!!音楽にぴったり合わせ、トリプルだのなんだのをいとも簡単そうにくるくると回り続ける!どうやら48回転だったそうで。
鳥肌が立ちました。
ロミオとジュリエット」は、ロミオがいかにも少年という感じでした。そうだよね、ロミオとジュリエットって幼いんだよね、と再確認。
「オネーギン」は観たことが無いので、鏡の中に思いを寄せる男性が現れるというシーンが印象的で良かったです。「オネーギン」は観たことが無い…本当は観ているはずだったんですけれどね、昨年秋のシュツットガルト来日公演を。チケットも取ってあったのに、行くのを忘れたという悲しい思い出が。
「扉は必ず・・・」は、ベッドのある部屋で、男性と女性が緩やかに動きながら、ドアに手をかけたり、離れたり。
パンフレットによると、振付家のイル・キリアンが、ルーブル美術館で見たフラゴナールの絵画『閂』にインスピレーションを得て、この二人のダンサーのために振付けた作品だそうです。イル・キリアンが『閂』から感じた、男性のほうが恋人のもとを去ることを望んでいる、という印象が伝わってくる振付でした。後半はコメディっぽくてみんな結構笑っていました。
「コンティニュウム」は残念ながら、私には良くわかりませんでした。コンテンポラリー系の作品はどうも苦手です。
「ライモンダ」のアンドレイ・メルクーリエフは優雅な踊りでよかったです。王子役が似合いそう。
そして、「春の声」!これは素晴らしかった。ここまでで一番良かったです。「白雪姫」のタマラ・ロホも凄かったですが、ひとつのプログラムとしてみると、この「春の声」が第1幕から第3幕までで最高でした。
ヨハン・コボーにリフトされ、ひらひらとした薄黄緑の衣裳をまとった笑顔のアリーナ・コジョカルが、ピンクの花びらの両手から撒きながら登場。これだけで、もう、この演目は最高だと思ってしまいました。可愛かったです。
「TWO」ですが、私、シルヴィ・ギエムにはなぜか苦手意識があったのですが、これですっかり拭い去られました。真っ暗なステージの中、中央の2メートル四方の空間だけに照明が当たり、そのなかで踊るギエム。最初はゆっくりとした動きで、これは飽きるかもと思ったのですが、後半テンポが上がるにつれて面白くなっていきました。
シルヴィ・ギエム、格好良かったです。
続いての、「ベジャールさんとの出会い」、ジル・ロマンは一瞬にして、会場にベジャールの世界を持ってきました。凄い。
この人は長生きをして、ずっと踊り続けなくちゃ駄目だと思いました。6月のモーリス・ベジャール・バレエ団の「バレエ・フォー・ライフ」で、ジョルジュ・ドンのステージを観て、その感想を最近書いたばかりだから、余計にそう思ったのだと思います。
最近、急にベジャールファンです。これは今度の東京バレエ団の「くるみ割り人形」(ベジャール振付)と、ベジャール三演目セット券、予約してしまいそう。
「マノン」ですが、マラーホフが出てくると、どうしても跳躍が観たいと思ってしまうので、残念。ディアナ・ヴィシニョーワは良かったです。あまりにもぼろぼろのマノンのままでカーテンコールも出てきたので、フィナーレではやっと見れた笑顔に安心しました。ガラ公演のような、全幕物の一部だけを取り出した公演は、物語から切り取られたシーンの役どころに突然入らなければならないので、ダンサーにとってキツイと聞いたことがあったのですが、まるで全幕の中の流れで見ているかのようなマノンでした。
そしてラストの「ドン・キホーテ」。ここまでこれだけ豪華なメンバーで、素晴らしいステージを見てきて、最後どんなものかと思ったら、もう、このプログラムのラストにふさわしい、とんでもないキトリでした。ヴィエングセイ・ヴァルデス、なんでトゥであんなに安定して立っていられるのでしょう。じっくり魅せて、そのままポーズを変え、まだ余裕なのだから驚きです。感動しました。ロメル・フロメタも魅せてくれて、大満足です。
開演時間が多少押した上に、公演が長いわりに休憩時間が細切れで、トイレに並ぶために慌てたりということもありましたが、これだけのものを見たらもう何の文句もありません。
Bプロも楽しみです。

http://www.nbs.or.jp/stages/0608_wbf/index.html←公演の概要が載っています。